お問い合わせ   リンク  
ニュース!特許と新技術特許関連メルマガ特許開発・特許調査・特許出願・特許権活用・他社特許対応・特許調査講座・特許コンサル会員ページ会社概要

★★ 今月のひとこと ★★

(バックナンバー・2006年6月)



             『 揺れる ワンクリック特許 』


 ワンクリック特許。

 購入者固有の注文情報を最初の購入時にサーバに蓄えておき、次回からは、例えばマウスを1回クリックするだけで商品購入の注文が出来るという、かの有名なビジネスモデル特許だ。
 この特許により、購入の都度、注文情報を入力する手間が省けることはもちろん、個人情報が度々ネット上に流れることによるリスクも低減できるという。

 インターネットで書籍や CD などを販売する Amazon.com が1997.9.12に出願し、1999.9.28に特許公報が発行された。

 本特許には、クレームが26個含まれているが、特に11番目のクレームなどはシンプルだ。
しかし、とにかく特許になっている。
Amazon.com はこのビジネスモデルにて売り上げを大いに伸ばした。
更に1999年、ライバルである Barnes & Noble.com に対して、特許侵害訴訟も起こした。

 さすがにこの提訴は「火に油」だったか、それまでくすぶっていたこの特許に対する批判などが一気に噴出した。
 このワンクリック技術は、既存の Web 技術を単純に組み合わせて少しだけ工夫したに過ぎず、特許に値しない、とか、ビジネスモデル特許自体、特許システムの乱用だ、などが飛び交った。

 すったもんだの挙句、結局、2002年、両社は和解。
その背景には、同様技術が、Amazon.com の創業以前に既に公になっていた、つまり、もともと特許になるようなものではなかった、ということが1つにあるらしい。
更には、Free Software Foundation による「Amazon ボイコット運動」まで起こり始めたのは、Amazon.com には痛手だったに違いない。

 尚、2000年に、アップルコンピュータは、このワンクリック特許のライセンスを受けたと発表している。

 Barnes & Noble.com との和解後しばらくの間は、この「ワンクリック特許」がマスコミの話題に上ることは無かった。
Barnes & Noble.com やアップルコンピュータ以外にも同様のビジネスモデルを採用している企業はあると思えるのだが、Amazon.com からの目立った動きは無かったようだ。
もしかすると、それは、Amazon.com 自身がこの特許の特許性に疑問を抱き、従って、特許侵害訴訟を起こしにくくなったからなのかも知れない。


 ところが、Amazon.comからの動きは無かったが、今度は周りが黙ってはいなかった。

 米電子フロンティア財団(EFF)が、ソフトウェアやインターネットでの基幹技術を押さえるような特許は「百害あって一理なし」。無効にしようと呼びかけた。
ここで対象とされている特許に、この「ワンクリック特許」が含まれているのである。

 そして、更に、追い討ちをかけるように、つい最近、米国特許商標庁 (USPTO) は「特許性について大きな疑問がある」ということで、この特許を再審査することになった。

 この再審査決定のきっかけが、又、面白い(?)

 ニュージーランドに住む Pete Calveley 氏、2005年10月に注文した書籍の発送が遅れるという「過ち」を犯した Amazon.com が許せなかったとのこと。
又、再審査の費用についての寄付をブログにて呼びかけたところ、大勢の人が応じてくれたという。

 依然として、Amazon.com は「ワンクリック特許の正当性に対する自信は変わっていない」と強気の姿勢を崩していない。

 しかしながら、たとえ、この特許が無効にならなかったとしても、会社の置かれている環境としては今や「四面楚歌」の様相を呈している。

 「特許」をあまり前面に押出し過ぎると、どうしてもこうなってしまうのか。


 因みに、この「ワンクリック特許」、日本への出願としては「特開平11-161717」と「特開2000-099592」があるが、「特開平11-161717」は 2003.10.6 に拒絶査定、「特開2000-099592」は 2005.9.14 に審査請求が出されたという状況である。


関連サイト

Amazon と B&N、ワンクリック訴訟で和解
http://japan.internet.com/ecnews/20020308/12.html

アップル、“1-Click”の特許/商標ライセンスを獲得
http://ascii24.com/news/i/mrkt/article/2000/09/19/618155-000.html
 
米電子フロンティア財団、“ワンクリック特許”などの無効キャンペーン
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/04/23/2909.html

Amazon.com の「ワンクリック」特許、再審査へ
http://japan.internet.com/ecnews/20060522/12.html


USP5,960,411
 Method and system for placing a purchase order via a communications network

1. A method of placing an order for an item comprising:
under control of a client system,
displaying information identifying the item; and
in response to only a single action being performed, sending a request to order the item along with an identifier of a purchaser of the item to a server system;
under control of a single-action ordering component of the server system,
receiving the request;
retrieving additional information previously stored for the purchaser identified by the identifier in the received request; and
generating an order to purchase the requested item for the purchaser identified by the identifier in the received request using the retrieved additional information; and
fulfilling the generated order to complete purchase of the item
whereby the item is ordered without using a shopping cart ordering model.

11. A method for ordering an item using a client system, the method comprising:
displaying information identifying the item and displaying an indication of a single action that is to be performed to order the identified item; and
in response to only the indicated single action being performed, sending to a server system a request to order the identified item
whereby the item is ordered independently of a shopping cart model and the order is fulfilled to complete a purchase of the item.


【公開番号】特開平11-161717
【発明の名称】アイテムの購入注文を出す方法
【出願人】アマゾン コム インコーポレイテッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アイテムの購入注文を出す方法であって、前記注文はクライアント・システム側の購入者によって出され、サーバ・システムによって受信されるものにおいて、当該方法は、サーバ・システムの制御のもとでは、前記購入者の識別子(ID)、支払いに関する情報、および出荷に関する情報を含む購入者情報を前記クライアント・システムから受信し、前記クライアント・システムにクライアントIDを割り当て、前記割り当てられたクライアントID(以下、割り当てクライアントIDという)を前記受信した購入者情報と関連付け、前記割り当てクライアントIDを前記クライアント・システムに送信し、および前記アイテムを特定していると共に、注文ボタンを含んでいる表示情報を前記クライアント・システムに送信し、前記クライアント・システムの制御のもとでは、割り当てクライアントIDを受信してストアしておき、前記表示情報を受信して表示し、および前記注文ボタンが選択されると、それに応答して前記特定されたアイテムを購入する要求であって、前記割り当てクライアントIDを含んでいる要求を前記サーバ・システムに送信し、前記サーバ・システムの制御のもとでは、前記要求を受信し、前記要求に含まれている前記クライアントIDに関連する前記購入者情報を結合して、請求書発行と出荷情報に従ってアイテム購入注文を生成し、以上によって、前記購入者は前記注文ボタンを選択することで前記製品の注文を出すことを特徴とする方法。

【公開番号】特開2000-099592
【発明の名称】ギフト発送方法及びそのシステム
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ギフト差出人から受取人へのギフトの配達をコーディネートし、前記ギフトおよび受取人がギフト・オーダーにおいて指定されるコンピュータ・システムにおけるギフト発送方法であって、前記ギフト・オーダーは、ギフトが受取人に配達されるように十分な情報を含んでいるかどうかを決定し、前記ギフト・オーダーに十分な情報が含まれていない場合、1つ以上の情報源からデリバリー情報を取得し、前記十分なデリバリー情報が前記追加情報源から得られてギフトが受取人に配達できる場合、前記デリバリー情報によって指示される通り受取人にギフトが送られるように司令することを特徴とするギフト発送方法。

2006年6月1日 山田康男


お問い合わせ